無痛分娩・和痛分娩について
当院では硬膜外麻酔を使用した無痛分娩を経産婦さんのみ計画分娩にて行っております。
分娩時の痛みは大きく分けて2つあります。
一つは陣痛(子宮収縮)による痛み、もう一つは産道の痛み(腰や陰部)です。
分娩時の痛みを和らげる方法としては、次の3つがあります。
- 硬膜外麻酔
背骨の間から細いチューブを挿入し麻酔薬を硬膜外腔というところに注入し
神経を麻痺させ陣痛と産道の痛みを和らげる方法です。 - 傍頸管ブロック
子宮頸部に麻酔薬を注射し子宮頸管が開くのに伴う腰の痛みを和らげます。 - 陰部神経ブロック
膣内にある陰部神経に麻酔薬を注射し膣や外陰部が伸ばされることによる痛みを和らげます。
現在無痛分娩として一般的に行われているのが硬膜外麻酔ですが
陣痛の痛みを和らげると同時に陣痛そのものが弱くなり(微弱陣痛)

硬膜外麻酔による無痛分娩の方法
A 画無痛分娩
あらかじめ日程を決めて陣痛促進剤を使い分娩誘発をしながら硬膜外麻酔を行う方法です。
B オンデマンド24時間無痛分娩
自然に陣痛が来た時点で入院し、硬膜外麻酔を開始する方法です。
当院での硬膜外麻酔による無痛分娩は経産婦さんの計画分娩のみ行っております。
その理由は一般的に初産婦さんの場合経産婦さんに比べ分娩進行が遅く
このため、初産婦さんでは当日朝から分娩誘発を開始しても、夕方までに出産とならず、夜間に入ってしまうことが多いです。
硬膜外麻酔による無痛分娩で異常事態が発生することは多くはありませんが
【日中に】【医師2名体制で】【専属の助産師をつけて】十分な監視体制をとっております。
夜間帯に入ると医師1名体制となってしまうため、硬膜外麻酔を中断します。
同様の理由で、夜間にも対応するオンデマンド無痛分娩は行っておりません。
当院では硬膜外麻酔による無痛分娩を行う際には、安全を最優先にしております。
オンデマンド24時間無痛分娩をうたうクリニックもあるようですが
確認されるとよいでしょう。
上記の理由により当院では初産婦さんの場合硬膜外麻酔はできませんが
陣痛(子宮収縮)の痛みを和らげる効果は低いですが、腰や産道の痛みについては有効で、安全な方法です。
現在硬膜外麻酔による無痛分娩が急速に拡大しておりますが、硬膜外麻酔以外にも痛みを和らげる方法
はありますので、よく検討していただきご自分にあった方法でお産に臨んでいただきたいと思います。